骨粗しょう症について
50歳になる前に一度検査を
行うことを
おすすめしています
骨粗しょう症とは、骨密度が低下して骨がスカスカになってしまい、骨折しやすくなる病気のことです。
原因としては、老化やカルシウム不足などがあげられます。
また、骨粗しょう症の患者さんの8割が女性であると言われており、特に閉経を迎える50歳前後の方は注意が必要です。
閉経による女性ホルモンの分泌低下により骨が溶ける速度が速くなってしまいます。
50歳になる前に一度検査を行うことをおすすめしています。
こんな方は注意が必要です
- 牛乳や乳製品はあまり
飲まない - 喫煙歴が長い
- お酒をたくさん飲む
- 最近背中が曲がってきた
- 両親や兄弟(姉妹)に大腿骨骨折をした人がいる
- 体形はどちらかというと痩せている
- ささいな事で腕や足などを骨折することが多い
- 45歳未満の早期閉経をした
- 人間ドックや検診で骨密度が低いと言われた
- ステロイド薬を服用している
骨粗しょう症の原因
骨粗しょう症の原因は「原発性骨粗しょう症」「続発性骨粗しょう症」に分けることができます。
下記に当てはまる方は、一度検査することをおすすめいたします。
原発性骨粗しょう症
- 加齢
- 閉経による女性ホルモンの低下
- 過剰なダイエット
- 体型(小柄な人や痩せている人)
- 喫煙
- 過度のアルコール摂取
- 食生活の乱れ
- 運動不足
続発性骨粗しょう症
- リウマチ
- ステロイド薬の長期使用
- 動脈硬化
- 栄養不足
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 慢性肺疾患
- 慢性腎疾患
健康な状態と要介護状態の中間の状態
(フレイル)について
フレイルとは
骨粗しょう症は病的骨折をして初めて診断される場合と、骨密度の低下で診断される場合があります。前者の場合、軽く転んだり、しりもちをついたりしただけで骨折してしまう場合をさします。骨折してしまいますと、手術が必要になる場合や、以前のように歩けなくなる場合もあります。
また、歩けない期間が長くなってくると、認知症が進んだり、他の病気が進んだりする場合もあります。このような状態は、運動機能が低下するので、フレイルという状態に片足を突っ込みます。このため、骨粗しょう症は本来、内科の病気と考えています。後者は、転倒しても、骨折しない体づくりをするためです。もちろん、転倒しないことが一番望ましいですが、たとえ、転倒しても骨折するリスクを少しでも減らそうという考え方になります。興味がある方は、健康な状態で過ごしていただくためにも、一度ご相談ください。
骨粗しょう症の検査・治療
当院で行っている検査
骨密度検査
骨の強さを判定するには「骨密度」が基本です。骨密度はDXA法やMD法、または定量的超音波測定法などがあります。骨粗しょう症のリスクが高いと判断された方は、4ヶ月に1度、腰椎や大腿骨頸部などの骨密度検査を行うようにしましょう。
骨代謝マーカーの検査
血液検査や尿検査で、骨がつくられたり溶け出したりする「骨代謝」のバランスを調べます。骨吸収と骨形成のバランスが崩れると骨は弱くなるため、これを調べることにより骨折のリスクなどが分かります。また、現在の数値に関わらず、骨代謝マーカーの高い人は骨量の低下速度が速いため骨折のリスクが高くなります。
X線検査
X線を使用する検査には、DXA法やq-QCT法などもあります。X線検査では、胸椎や腰椎のX線写真を撮影し、骨がスカスカになっていないか等、骨の状態や骨折の有無などを確認します。
身長測定
身長測定では、25歳時の身長と比較して、どのくらい身長が縮んでいるかを調べます。25歳の頃より4cm以上縮んでいる場合は、他の人と比較すると骨折のリスクが2倍以上高いと言われています。
当院で行っている治療
薬物療法
骨粗しょう症の治療の基本は薬物療法です。治療薬としては、「骨を作る薬」と「骨の吸収を抑える薬」、「骨の材料を補う薬」の3種類があります。患者さん一人ひとりに合わせた適切な治療薬をご提案させていただきます。お気軽にご相談ください。
よくあるご質問
男性でも骨粗しょう症になりますか?
骨粗しょう症は女性の病気という印象が強いかと思いますが、男性でも加齢とともに骨折のリスクは高まります。発症率を見ると、男性は女性の3分の1程だと言われていますが、発症した時の深刻度は男性の方が高いと言われています。原因としては、加齢によるホルモンの低下や偏った食生活、過度な飲酒や喫煙です。そのため、男性の方も注意するようにしましょう。
骨粗しょう症は遺伝するのでしょうか?
遺伝することもありますが、遺伝の影響は大きくありません。食生活や喫煙、運動量などの生活習慣を見直せば、骨粗しょう症になるリスクは低くなります。そのため、若いうちから生活習慣を改善していき、骨粗しょう症にならないようにしていきましょう。