ピロリ菌の除菌

ピロリ菌に感染していることで
胃がん
リスクがあがります
ピロリ菌とは、胃の粘膜に生息している細菌でヘリコバクター・ピロリといいます。
ピロリ菌の感染が疑われる患者さんには、尿素呼気検査や迅速ウレアーゼ検査など患者さんに一人ひとりに合った検査方法で確認させていただきます。
ピロリ菌を放置しておくと、胃がんや慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などにかかるリスクが高くなるため、検査を受けるようにしましょう。
※二次除菌療法を先に行う場合は自費診療となります。
※一次除菌が不成功の場合にのみ二次除菌は保険適用となります。
※一次・二次除菌でピロリ菌が除菌されなかった場合は三次除菌を行いますが、保険が適応されない自費診療となります。
下記に当てはまる方は
事前にお伝えください
-
1. これまで飲んだ薬で、アレルギー症状を起こしたことのある方
-
2. 抗菌薬を服用した際に、重篤なアレルギー症状を起こしたことのある方
-
3. 抗菌薬や風邪薬で副作用を経験したことのある方
ピロリ菌の検査方法と検査内容
検査 | 内視鏡検査の有無 | 検査内容・方法 |
---|---|---|
尿素呼気試験 | 内視鏡検査 なし |
容器に2回息を吐いて、呼気を調べる検査です。ピロリ菌の持っているウレアーゼという酵素が胃内の尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解することを利用して、二酸化炭素の増加を測定する方法です。患者さんの負担も少なく、30分ほどで終わる簡単な検査です。 |
便中H. pylori 抗原検査 |
内視鏡検査 なし |
便中のピロリ菌を調べる方法です。便中H. pylori抗原検査は、患者さんの負担も少ないため小さなお子さんでも検査を行うことが可能です。ピロリ菌に対する抗体が、生きた菌だけではなく死菌などもH. pylori抗原として認識することが可能なため、除菌判定において信頼度の高い検査です。 |
迅速ウレアーゼ 試験 |
内視鏡検査 あり |
ピロリ菌は胃の中で生きていくために、尿素をアンモニアに変える「ウレアーゼ」という酵素を出しています。検査方法としては、pH指示薬の色がその「ウレアーゼ」という酵素の働きで変わるかどうかを見て判断致します。安価で検査時間が短いですが、除菌治療直後ですと他の検査方法と比較すると、不正確になります。 |
培養法 | 内視鏡検査 あり |
内視鏡の際に胃粘膜の一部を採取して、その組織から菌を分離培養することで、ピロリ菌がいるかどうかを確認します。培養法は、菌株を純培養し入手できるため、薬剤感受性 (MIC) 測定や遺伝子診断など他の検査に使用することもできます。また、検査結果が出るまでに5日前後かかります。 |
治療方法

内服
胃酸の分泌を抑える薬と抗菌薬を1日2回、7日間服用していただきます。
内服後2ヶ月くらい経ってから、ピロリ菌が除菌できたかどうか、もう一度検査を行います。
内服による治療のピロリ菌除菌成功率は90%以上だと言われています。
また、1回目の内服で除菌ができていなかった場合は、薬を変更して2回目の除菌治療を行います。
2回目の除菌治療は保険の適用が認められています。
リスク・副作用
- 下痢、蕁麻疹、悪心嘔吐、味覚異常などが起こる場合があります。
- 逆流性食道炎のため胸焼け症状や食欲増加により糖尿病が悪化する可能性があります。
よくあるご質問
ピロリ菌にはどのように感染しているのでしょうか?
ピロリ菌の感染経路は、はっきりとわかっておりません。
ですが、経口感染であると言われています。例えば、井戸水などの消毒されていない水や不衛生な生ものなどが感染経路の1つとして考えられます。また、喫煙者の除菌成功率が低いため、喫煙習慣も関与している可能性があります。
どのような人が感染しやすいですか?
成人している人の感染はほとんどなく、主に5歳以下の小さなお子さんが感染しています。
理由としては、小さなお子さんの胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいからです。そのため、親から子への食べ物の口移しは注意が必要です。